潰瘍性大腸炎ULCERATIVE COLITIS

潰瘍性大腸炎ULCERATIVE COLITIS

潰瘍性大腸炎とは

大腸の粘膜に潰瘍やびらんができる炎症性疾患です。特徴的な症状として、腹痛や下痢、血便などがよく起こります。
発症のメカニズムについて明確な原因は分かっていませんが、遺伝的要因や免疫異常、睡眠不足、ストレスなどが重なり合って発症するといわれています。有効な治療法が確立されておらず、国の定める指定難病疾患です。
厚生労働省難治性炎症性腸管障害に関する調査研究班が行った疫学調査では、罹患者数が22万人以上と推察され、患者数の増加傾向が報告されています。また、10歳代後半から30歳代前半の若年者に好発することが知られていますが、40歳以上の中高年の発症もまれではありません。
治療は、炎症を抑制する薬物療法が中心となります。症状が落ち着いている期間も、治療を継続して行うことで、良い状態を長く保つことができます。

潰瘍性大腸炎とは

主な症状と重症度

初期段階では、腹痛や下痢、血便を生じやすいです。炎症する範囲が広くなったり、炎症度合いが重くなると脈拍が速い、めまい、発熱、冷や汗、体重低下がみられます。進行すると大量出血、中毒性巨大結腸症、皮膚や眼、関節の症状などを伴うことがあります。気になる症状がありましたら、早急に受診しましょう。

重症度について

特定医療費受給者証を交付する際は、医師が判断した重症度が必要になります。
軽症、中等症、重症に分類されています。下記は、重症度の目安になります。

軽症 排便する回数は、1日4回以下です。少量の血便を生じることがありますが、脈拍が速い、貧血、発熱などはみられません。
中等症 軽症と重症の間になります。
重症 排便する回数は、1日6回以上です。血便以外にも、脈拍が速い、貧血、発熱などの全身に様々な症状が現れます。

潰瘍性大腸炎の原因

現時点では、大腸に炎症を生じる原因は明確に分かっていません。遺伝的要因や免疫異常、ストレスなどが重なり合って発症するのではないかといわれています。

睡眠不足やストレス
などの環境要因
睡眠不足やストレスがかかると、知らない間に疲労が蓄積されます。消化管の働きをコントロールしている自律神経のバランスが乱れると、症状を悪化させやすいです。
遺伝的要因 海外の調査では、血縁者内では潰瘍性大腸炎の発症率がやや高いことが報告され、何らかの遺伝的機序が関与していると推測されます。日本での研究では、海外の研究結果との差異があり、一定見解が得られていません。
免疫の異常 これまでに免疫異常との関連性を報告されています。現時点では、自己免疫異常を生じる原因が明らかになっていません。

検査と診断方法

発症時期や症状の内容、症状の出現頻度、既往歴などを問診でお尋ねします。感染症を発症していても、似たような症状が出現する可能性があります。病気の診断には、血液検査や大腸カメラ検査、便培養検査などを行います。

血液検査・便培養検査・便潜血検査・便中カルプロテクチン検査

出血や貧血があるか、炎症の状態を観察します。細菌性腸炎かどうかを見分けるためには、便培養検査を用います。腸管の炎症度合いを確認するために、必要に応じて便中カルプロテクチン検査を行います。

検査

大腸カメラ検査

内視鏡を用いて、大腸の粘膜を確認します。潰瘍性大腸炎と症状が似ているクローン病や大腸がんの鑑別に有効といわれています。検査中に一部組織を採って、炎症の状態や炎症範囲を確認することで確定診断を行えたり、適切な治療につながります。長期間、大腸の粘膜が炎症していると、将来的に大腸がんを発症しやすいです。そのため、症状の有無に関わらず、定期的に大腸カメラ検査を受けられることを推奨しています。当院では、高度な技術をもった内視鏡診療を専門とした医師が鎮静剤を用いた痛みのない検査を行っています。

大腸カメラ検査

治療方法

治療内容は、病変を生じている箇所や重症度、症状が出現している活動期、症状が落ち着いている寛解期によって異なります。大腸粘膜の炎症を抑制させるために薬物療法を行います。治療を継続して行うことで症状をコントロールできます。薬の種類は、注射剤や内服薬、坐剤、注腸製剤などがあります。5-アミノサリチル酸製剤は、炎症を抑制させて、再発を予防する効果を期待できます。症状が出現している活動期と症状が落ち着いている寛解期に用います。また、ステロイド薬は即効性があるため、炎症が強い場合に短期間で用います。ただし、使用できない場合は、免疫抑制剤や免疫調製剤、生物学的製剤などで治療を行います。

薬物療法

日常生活を送るうえで注意していただくこと

1日3回、栄養バランスの良い食事を摂ったり、休息や睡眠を十分にとって、生活リズムを整えることが大切です。症状が出現している際は、刺激物を避けて、繊維や脂肪が少ない食べ物を摂りましょう。症状が落ち着いている際は、食事制限をしていただかなくても構いません。また、ストレスをためないように、自分なりのストレス解消法を見つけておきましょう。

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